By Cafesba , 13 10月, 2025

1996年以降、パナマスペシャリティコーヒー協会(SCAP)によって開催されていたBOPによって、パナマのコーヒーの品質の高さに注目が集まるになりました。
SCAPのPrice Pertersonの記事によって、2000年代のその様子が描かれています。
そしてそのPrice Petersonの経営する農園のエスメラルダ農園で出品したゲイシャ種のコーヒー豆が1ポンド(約450g)あたり21ドルという当時としては記録的な高価格で落札されます。
これは当時の標準的な高級コーヒーの約10倍でした。
Petersonファミリーは広い農園の区画ごとにロットを分離し、その中で風味の優れているロットをBOPに出品しました。
審査員たちはそれまでのコーヒーではありえないというジャスミン、ベルガモット、柑橘系、ハチミツのような極めて複雑で華やかな風味に衝撃を受けたと言います。
この落札されたゲイシャはアメリカのStumpton Coffeeや、Intelligentsia、Counter Culture Coffeeなどの「サードウェーブ」系の革新的なロースターによって焙煎販売され、世界的なゲイシャブームが起こりました。
 

By Cafesba , 11 10月, 2025

第1回BOP開催後のSCAAとSCAPの交流は続き、パナマのスペシャリティコーヒーの高品質の追求は続く

SCAAの協力により、SCAPは1996年の第1回BOP開催を成功させました。
このときSCAAは、以下の面でサポートしました。
1.公式カッピングフォーム(香りや酸味、甘味、クリーンカップ、バランスなどの10項目評価)
=> *SCAAによるスペシャリティコーヒーの評価基準SCAAスコア

2.ブラインドカッピング方式(公平性確保のため農園名・ロット名を隠す)
3.審査プロトコル(温度段階ごとの再カッピング・採点の標準化)
地元カッパーのトレーニング

SCAP側は、パナマの標高・品種・プロセスの特性に応じて微調整し、国際審査員と地元審査員に夜公正、入賞ロットを国内外バイヤーに公開し、透明性を確率しました。

By Cafesba , 9 10月, 2025

パナマスペシャリティコーヒー協会(SCAP)設立後、パナマのボケーテ地域やヴォルカン地域の生産者を中心に、アメリカのスペシャリティコーヒー協会(SCAA)の協力のもと、「自国のコーヒーを国際的なカッピング基準で評価してもらう仕組みを作ろう」という動きがありました。

そして、アメリカ国際開発庁(USAID)やパナマ観光庁の協力のもと、1996年にコーヒーの品質コンテスト第一回ベストオブパナマ(BOP)が開催されました。

コンテストの参加者は、エスメラルダ農園のプライス・ピターソンやドンパチ農園のフランシスコ・セラシン,エリダエステート農園のウィルフォード・ラマタスたちでした。

評価基準はSCAAのテッド・リングル、ジョージ・ハウウェルの指導のもと確立され、SCAAカッパーが審査員として招かれました。

評価はブラインド方式で、農園名を伏せての評価という方式でした。

このコンテストはパナマの生産者が自ら国際基準を導入し、SCAAの専門家が評価の透明性を保証し、政府や国際機関がインフラ支援をしたことで成功し、その後も継続されました。

By Cafesba , 5 10月, 2025

パナマは今日ではゲイシャという最高級のスペシャリティーコーヒーとして知られるコーヒー豆の生産国です。
この国のコーヒー生産もまたアメリカスペシャリティコーヒー協会(SCAA)と深い関わりがありました。
1989年にICOの価格協定が崩壊し、生産国でコーヒーの下落が起こりました。
たとえばパナマででは1ポンド(約450g)1.20米ドルだったのが、価格崩壊後は0.74※ドルまで下落したという話もあります。
また安価なベトナムのロブスタ種の生産量の増大により、パナマのコーヒー豆の価格が回復する見込みはありませんでした。
このような状況でパナマでは、コモディティーコーヒーの価格には左右されないスペシャリティコーヒーの生産に力を入れていこうという動きが出てきました。
1990年初頭にパナマスペシャリティーコーヒー協会(SCAP)が発足しました。
コトワ農園のリカルド・コイナーや、アシエンダ・ラ・エスメラルダ農園のプライス・ピーターソンらが運営に参加しました。
SCAP発足当初からSCAAとは関わっており、生産国と消費国との間の結びつきが強まりました。
 

By Cafesba , 30 9月, 2025

アメリカでのSCAAの設立によって、コーヒーがスペシャリティがどうかを定義する評価基準が作られました。

1.Flagrance(香り) 粉の香りと液体の香り
2.Flavor(風味) 液体を口に含んだ時の評価
3.Aftertaste(後味) 飲み込んだ後の余韻
4.Acidity(酸味) 心地よい明るさやジューシーさ
5.Body(口当たり) 舌触りや重量感
6.Balance(バランス) 各要素が調和してるか
7.Sweetness(甘み) 未発酵豆などの欠点が無く、ポジティブな甘みを感じるか
8.Uniformity(一貫性) 複数カップで同じ品質か
9.Clean Cup(雑味のなさ) 雑味がなく明瞭かどうか
10.Overall(総合評価) 全体の品質

By Cafesba , 28 9月, 2025

スペシャリティーコーヒーを扱う業者が増え、1982年にアメリカスペシャリティコーヒー協会(SCAA)が設立されます。
ニューヨークブルックリンのGillies Coffeeのドナルド・シェーンホルトとカルフォルニア州の焙煎業者Lingle Bros社のテッドリングルが主導し、サンフランシスコのCoffee, Tea and SpiceのバルデンハウファーやRoyal Coffeeのピーター・マクラフリン、コーヒー輸入商ジョン・ランドールらを中心に設立されました。
スペシャリティコーヒーの概念を提唱したエルナ・クヌッセンや当時まだ創業10年目をすぎたばかりのスターバックスの創業者のジェリー・ボールドウィンも参加しています。
スペシャリティコーヒーというは特別な地理条件や微小な地域の気候によって生み出された、ユニーク(個性的、特別)な風味を持つコーヒーで、高品質なコーヒーです。
では、何をもって高品質とみなされるか。
その高品質の共通の基準を、スペシャリティコーヒーという新興のジャンルに関わり始めた業界関係者によって定義しようという動きが生まれました。

By Cafesba , 27 9月, 2025

このような背景で、味にこだわったファン層から高品質のコーヒーが支持されるという流れが出来ました。
カルフォルニア州バークレイのピーツコーヒー(Peet's Coffee)のコアなファンを指してピート二クス(Peetniks)という言葉も生まれました。
そして、そのようなコーヒーは豆の生産地にもこだわります。
豆の生産地にこだわるから、コモディティーコーヒーのように質より量を追求するのではなく、生産ロットは小さくても高品質な豆を追求するために特定の生産地から輸入された豆へのこだわりです。
1974年にTea & Coffee Trade Journalという紅茶やコーヒー業界の専門誌に掲載された記事では、コーヒー商社B.C.アイルランドのエルナ クヌッセンが「特別な地理条件や微小な地域の気候が、ユニーク(個性的、特別)な風味を持つコーヒー豆を生み出す」とし、このようなコーヒーをスペシャリティーコーヒーと呼びました。
これがスペシャリティーコーヒーという言葉の登場です。
その後スペシャリティーコーヒーの概念がアメリカのコーヒー業界に広がり、1982年アメリカでSCAA(スペシャリティーコーヒー協会)というNGOが発足します。

By Cafesba , 26 9月, 2025

1990年代にスペシャリティコーヒーの業者が次々と誕生しましたが、その土台1960年代後半からありました。
当時コモディコーヒーはコンテナ単位で取引されるものですが、その中にはいろいろな生産地から収穫されたコーヒーの麻袋が集められていました。
この麻袋単位で販売することはできないか、
小ロットの麻袋を小規模の焙煎業者に販売することができるのではないかと考えられました。
1960年後半より、アメリカでは小規模の焙煎業者の創業が相次ぎました。
1966年カリフォルニア州バークレイで創業されたPeet‘s Coffeeは、ヨーロッパ式の深煎り・高品質の豆を紹介し、それが地元の学生や知識人に評価されました。
Peett‘s Coffeeの影響を受けてシアトルで1971年に創業されたのがスターバックスコーヒーで、スタバも最初は小規模の焙煎業者でした。
そして、サンフランシスコのコーヒー商社B.C.アイルランドのエルナ クヌッセンはインドネシアのスマトラの生豆などを、小規模焙煎業者にコンテナ単位ではなく麻袋単位で売りました。
このように、1960年代後半アメリカ西海岸で小規模焙煎業者が高品質なコーヒーを提唱し、それらに小ロットの豆を卸すビジネスが展開され始めたのがスペシャリティコーヒーのは走りです。
 

By Cafesba , 26 9月, 2025

1989年のコーヒー危機以降、コモディティコーヒーの価格は金融商品の一種となり、価格は不安定になり、また1986年以降のドイモイ政策によるロブスタ種の新興国ベトナムが国策により供給量を急増させ、コーヒー生産国の盟主のブラジルをも脅かす勢いをつけ、従来の中南米やアフリカの輸出価格が下落しがちになりました。
価格が下がると、コーヒー豆を生産している生産国の農家は価格を下げてもコーヒーが売れなくなり、収入が下がります。
ただベトナムのコーヒーはロブスタ種で、アラビカ種と比較すると低品質とされ、味が落ちるとされます。
その流れで、コーヒー1990年代には味の追求める流れ、つまり価格が高くてもいいから美味しいコーヒーを提供したい、量より質を目指す動きが出て来ました。
アメリカの西海岸で、この動きが活発活発化し、StumptownやIntelligentsia、Conunter Cultureなどの焙煎業者がスペシャリティロースターが1990年に相次いで創業されました。
 

By Cafesba , 23 9月, 2025

コモディティーコーヒーの価格はアラビカ種ならニューヨークの商品取引所、ロブスター種ならロンドンの商品取引所で価格が決まります。
アラビカ種は1ポンド(約453g)あたり何セント、ロブスタ種は1トン(1000kg)あたり何ドルというのが基準になります。
実際には、コーヒーは輸入業者と生産者側の輸出業者の間でたとえば、今後3年間など特定の期間に特定の品質のコーヒーを一定量購入するという契約をすることが多いです。
これを先渡契約といいます。
ただし、コーヒーの収穫量というのは年によって収穫量が増えたり、落ちたりして供給量が変わり、それが需要とのバランスで価格が上がったり下がったりするリスクがあります。
生豆を輸入した後、輸入業者は別の業者に売りますが、その際にコーヒーの価格が、買ったときよりも下落した場合損をします。
単純な例として、コーヒー豆を1年後に100g100円で買い取り、それを焙煎業者や流通業者などに100g120円で売って利益を得ようと計画していたとします。
しかし実際に1年たってみるとコーヒー豆が下落し100g100円で売れず、100g90円でしか売れなくなった場合、10円損失が出ます。
当初は、100g120円で売ろうしていたので、30円計画より利益が減ったことになります。