コモディティーコーヒーの価格はアラビカ種ならニューヨークの商品取引所、ロブスター種ならロンドンの商品取引所で価格が決まります。
アラビカ種は1ポンド(約453g)あたり何セント、ロブスタ種は1トン(1000kg)あたり何ドルというのが基準になります。
実際には、コーヒーは輸入業者と生産者側の輸出業者の間でたとえば、今後3年間など特定の期間に特定の品質のコーヒーを一定量購入するという契約をすることが多いです。
これを先渡契約といいます。
ただし、コーヒーの収穫量というのは年によって収穫量が増えたり、落ちたりして供給量が変わり、それが需要とのバランスで価格が上がったり下がったりするリスクがあります。
生豆を輸入した後、輸入業者は別の業者に売りますが、その際にコーヒーの価格が、買ったときよりも下落した場合損をします。
単純な例として、コーヒー豆を1年後に100g100円で買い取り、それを焙煎業者や流通業者などに100g120円で売って利益を得ようと計画していたとします。
しかし実際に1年たってみるとコーヒー豆が下落し100g100円で売れず、100g90円でしか売れなくなった場合、10円損失が出ます。
当初は、100g120円で売ろうしていたので、30円計画より利益が減ったことになります。
しかし、価格が下がる前に先物市場に100g100円で先に売っておけば、利益はでないものの、損失は無くなります。
このように、先物取引を利用することによって、価格変動のリスクに備え、損失を最小限にとどめることができます。
先物市場はコモディティーコーヒーの価格変動のリスクヘッジ機能を持っているのです。
1989年のコーヒー危機以降、この先物市場には、実際にコーヒー豆を売買するのではなく、金融商品として売買して利ザヤを稼ごうとする機関投資家も現れ、価格は実需だけでなく投機マネーによっても上下するようになりました。
この状況自体は取引市場としては活性化しているともいえなくもありません。
しかし、このようにコーヒー豆の価格が上下によって、コーヒーの農園での生産コストも上下するわけではなく、相場が下がると、コーヒー農家が損害を被るという問題が出てきました。
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